第98回薬剤師国家試験

◆問202-203

10歳女児。上気道炎で、咳と痰がひどいため以下の薬剤が処方された。
98回問202-203画像1

◆ 問202

この処方では組合せ水剤として交付することが望ましい。その理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • クレゾールスルホン酸が加水分解される。
  • ブロムへキシンが分解する。
  • デキストロメトルファンが分解する。
  • ブロムヘキシンとデキストロメトルファンとの複合体が析出する。
  • ブロムへキシンとクレゾールスルホン酸との複合体が析出する。

◆ 問203


◆ 問202

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


ブロムヘキシン塩酸塩シロップの有効性分であるブロムヘキシンは塩基性物質であり、メジコンシロップに含有されている添加物のクレゾールスルホン酸カリウムは酸性物質である。ブロムヘキシン塩酸塩シロップとメジコンシロップを配合すると、ブロムヘキシンとクレゾールスルホン酸カリウムが反応し、ブロムヘキシンクレゾールスルホン酸塩が形成され、白濁する。

◆ 問203

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


非水滴定によるブロムヘキシン塩酸塩の定量法に関する問題である。
本定量法では、ブロムヘキシン溶液に無水酢酸を添加していることから、ブロムヘキシンの第1級アミンがアセチル化される(反応1)。
98回問202-203画像1
(反応1)の生成物と過塩素酸が反応することを利用して定量を行う。
98回問202-203画像2
上記の反応より、ブロムヘキシンと過塩素酸は1:1で反応する。
0.1mo1/L過塩素酸1mLには、過塩素酸は、0.1(mol/L)×1(mL)=0.1(mmol/mL)×1(mL)=0.1 mmol含まれている。ブロムヘキシンと過塩素酸は、1:1で反応するため、0.1 mo1/L過塩素酸1mLに対応するブロムヘキシン量は0.1 mmolである。よって、「     」に入る数値は、412.59 g/mol×0.1 mmol=41.26 となる。