第98回薬剤師国家試験

◆問204-205

65歳男性。腰痛がひどいため、ガドテル酸メグルミン注射液を用いて造影検査を実施した結果、椎間板ヘルニアと診断され、以下の薬剤が処方された。
98回問204-205画像1

◆ 問204

この患者に対する情報提供の内容として、適切でないのはどれか。2つ選べ。
  • 造影検査の数日後までに、発熱、発疹、悪心、血圧低下、呼吸困難等が現れた時には、速やかに主治医に連絡する。
  • 処方1より、脱力感、ふらつき、眠気等が発現することがあるので、車の運転は控える。
  • 処方1の薬の作用が減弱するので、クロレラの摂取を控える。
  • 処方2により、光線過敏症を発現することがあるので、本剤を使用中及び使用後も当分の間、外出時には貼付部を衣服やサポーターなどで遮光する。
  • 処方3の薬の作用が減弱するので、グレープフルーツジュースの摂取を控える。

◆ 問205


◆ 問204

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


ガドテル酸メグルミン注射液と投与すると、ショックやアナフィラキシー様症状等を引き起こす可能性があるため、発熱、発疹、血圧低下、呼吸困難等が現れた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指導する必要がある。


エペリゾンは、副作用として、脱力感、ふらつき、眠気などが現れることがある。


クロレラを摂取してもエペリゾンの作用が減弱することはない。


ケトプロフェンの副作用として、光線過敏症(発疹・発赤、かゆみ、むくみ、水疱など)が現れることがあるため、本剤を使用中及び使用後も当分の間、外出時には貼付部を衣服やサポーターなどで遮光する必要がある。


グレープフルーツジュースを摂取しても、ジクロフェナクの作用が減弱することはない。

◆ 問205

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2、3、4、5


MRI装置は、円筒形の強力な磁石とラジオ波の発振器及び受信器などから構成される。


外部磁場の中で核がとりうる方向の数はスピン量子数Iによって決まる(2I+1)。1Hように核スピン(量子数)が1/2の核種は2 ×1/2+1=2通りの配向をとる。


メグルミンはガドテル酸を塩にするために加えられているものであり、ガドリニウムイオン(Gd3)に対して配位はしていない。


Gd3は主として周辺に存在する水素原子核の縦緩和時間(T1)を短縮させる。それにより、MRIの造影時間を短縮することができる。


MRIでは、水(プロトン)がほとんど存在しない骨などでは信号がない。そのため、MRIは、骨に囲まれている頭部や脊髄などの画像処理に適している。