第98回薬剤師国家試験
◆問288-289
68歳女性。体重51 kg。副腎皮質ステロイド薬の吸入エアゾール剤で気管支ぜん息の治療を受けていた。しかし、噴霧と吸気のタイミングを合わせることができず、以下の処方に変更された。◆ 問288
◆ 問289
この症例と治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。１つ選べ。-
口腔内カンジダ症の発症に対して注意が重要である。
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ステロイド薬の投与量から、重症ぜん息症状が持続していると考えられる。
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ステロイド薬の投与経路を、吸入から内服に変更することにより減量できる。
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ぜん息発作時には、ロイコトリエン受容体拮抗薬が著効する。
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インフルエンザの予防のためのワクチン接種は推奨されない。
◆ 問288
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1、5
本剤はドライパウダー吸入式ステロイド薬であり、本剤を吸入する際には息を吐いてから薬物を深く吸い上げるように指導する。
本剤のマウスピースが汚れた場合には、水洗いせず、乾いた布で拭き取るように指導する。
本剤に含まれているブデソニドはアンテドラッグであり、気道及び肺においては活性体であるが血液移行後に不活性体となる。
ピークフローメーターは、最大呼気流量を簡易に測定するものであることを説明する。
ピークフロー値は、気道閉塞の状態の客観的な指標なので、毎日、朝、夕の決まった時間に測定するように指導する。
◆ 問289
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：1
本剤に含まれているブデソニドは副腎皮質ステロイド性薬であり、免疫抑制作用を有しているため、吸入後、口腔内に残存すると口腔内カンジダ症を発症させることがある。そのため、本剤使用後はうがいをする必要がある。
本剤の用法・用量は、「通常、成人には、ブデソニドとして1回100〜400 µgを1日2回吸入投与する」となっている。本患者に処方されている量は常用量に該当するため、投与量より重症ぜん息症状を持続しているとは考えにくい。
ステロイド薬を吸入で用いた場合、炎症部位である気道に直接作用するため、少ない量で炎症を抑えることができる。よって、ステロイド薬を内服から吸入に変更することにより減量することができる。
ロイコトリエン受容体拮抗薬は、気管支ぜん息治療の長期管理薬（コントローラー）として用いられるが、発作改善薬（リリーバー）としては用いられない。
気管支ぜん息患者がインフルエンザに罹患すると症状が悪化することがあるため、気管支ぜん息患者に対しては、インフルエンザの予防のためのワクチン接種が推奨されている。
