第98回薬剤師国家試験

◆問322-323

薬剤師が病棟で抗生物質注射薬を溶解しようとしたところ、バイアル内にガラス片様の異物が混入しているのを発見し、当該製品の製造販売業者に通報した。

◆ 問322


◆ 問323

医療機関で用いられる医薬品の回収(リコール)情報を入手した際の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」に従い、該当する医薬品を速やかに回収した。
  • 回収情報の第一報を、医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)の電子メールで知ったので、製造販売会社に連絡をとり詳細情報を確認した。
  • 回収対象の製品がクラスⅠに該当していたため、そのまま使用してもまず健康被害の原因になるとは考えられないと判断した。
  • 回収対象の製品は健康被害を引き起こす可能性があると考え、薬剤師の判断で同種同効の他の医薬品に変更し調剤した。

◆ 問322

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


品質管理業務手順書は、薬事監視員の指示によって作成するものではなく、予め作成しておく必要がある。


品質保証責任者は、品質不良またはそのおそれに係る事項を速やかに総括製造販売責任者に報告する必要がある。


品質不良が判明した場合、当該製品の回収措置の決定については、品質保証責任者が行うのではなく、総括製造販売責任者が行う。


品質保証責任者は、回収した医薬品を区分して一定期間保管した後、適切に処理する必要がある。

◆ 問323

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」とは、医薬品の採用、管理・使用などをまとめたものである。医薬品の回収(リコール)情報を入手した場合、医療機関は「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」に従い、該当する医薬品を速やかに回収する必要がある。


回収情報の第一報を、PMDAメディナビの電子メールで知った場合、当該医薬品の製造販売会社に連絡をとり、回収する医薬品名、ロット、回収の理由等を確認する必要がある。


回収対象の製品のクラスにはⅠ、Ⅱ、Ⅲが存在する。その詳細を以下に示す。
・クラスⅠ:その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況
・クラスⅡ:その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況
・クラスⅢ:その製品の使用等が、健康被害の原因となることはまず考えられない状況


同種同効薬に変更し調剤するためには処方医の同意が必要である。