第98回薬剤師国家試験

◆ 問57

以下の胃潰瘍治療薬のうち、高プロラクチン血症を起こす危険性のある薬物はどれか。1つ選べ。
  • ミソプロストール
  • プログルミド
  • スルピリド
  • ピレンゼピン塩酸塩水和物
  • スクラルファート水和物

◆ 問57

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


プロラクチンは、下垂体のドパミンD2受容体を介して分泌が調節されている。ドパミンはプロラクチン放出抑制作用を有する。そのため、ドパミンD2受容体遮断薬であるスルピリドを投与すると、プロラクチンの分泌が促進されるため、高プロラクチン血症を起こす危険性がある。

1 誤
ミソプロストールは、非ステロイド性抗炎症薬であり、胃粘膜保護作用を有するため、胃潰瘍に用いられる。本剤には、副作用として高プロラクチン血症を起こすとの報告はない。

2 誤
プログルミドは、ガストリン受容体遮断による胃酸分泌抑制作用を有するため、胃・十二指腸潰瘍の粘膜病変の改善、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期胃潰瘍に用いられる。本剤には、副作用として高プロラクチン血症を起こすとの報告はない。

3 正

4 誤
ピレンゼピン塩酸塩水和物は、ムスカリンM1受容体遮断による胃酸分泌抑制作用などを有するため、胃潰瘍、十二指腸潰瘍に用いられる。本剤には、副作用として高プロラクチン血症を起こすとの報告はない。

5 誤
スクラルファート水和物は、分子内に含まれるアルミニウムによる粘膜保護作用を有するため、胃潰瘍に用いられる。本剤には、副作用として高プロラクチン血症を起こすとの報告はない。