第99回薬剤師国家試験
◆ 問114
乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase:LDH)は、下記の反応を触媒する酵素である。
図1は、ヒト心臓の細胞質にあるLDHのアイソザイムを用いて、さまざまなpHの溶液中で、ピルビン酸(P)からL-乳酸(L)が生成する反応(P→L)、あるいはL-乳酸からピルビン酸が生成する反応(L→P)について調べたときの酵素活性の相対値を示している。また、図2は、NAD+とNADHの吸収スペクトルを示している。

L-乳酸を基質として血清中の本酵素の活性を測定するとき、方法と考察に関する記述のうち適切でないのはどれか。1つ選べ。
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反応液は、血清(披検試料)、L-乳酸、NAD+及び緩衝液から成る。
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試料である血清を加えない反応液を調整し、これについても同様に測定する。
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活性測定に用いる緩衝液のpHは、8.5に調整する。
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一定時間反応させた後、反応液の340 nmの吸光度の減少を測定する。
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血清中の本酵素の活性は、心臓傷害の指標になると考えられる。
◆ 問114
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:4
問題文に、「L-乳酸を基質として血清中の本酵素の活性を測定するとき」とあるため、L-乳酸からピルビン酸が生成する反応(L→P)についての方法及び考察について考える必要ある。
L→Pについて調べるためには、血清(被検試料)、L-乳酸(基質)、NAD+及び緩衝液から成る反応液を用いる。
被検試料(血清)を含まない反応液を用いた試験も行い、本試験と比較することにより試料以外に起因するLDH活性を補正することができる。
活性測定に用いる緩衝液のpHは、測定の感度をよくするために、最も反応の起こりやすいpHに調節する必要がある。図1より、L→Pの反応が起こりやすいpH(至適pH)は8.5であるため、活性測定に用いる緩衝液のpHを8.5に調整する必要がある。
L→Pでは、L-乳酸とNAD+からピルビン酸、NADH、H+が生じる。図2よりNADHは340 nmに吸収極大を示すため、340 nmの吸光度の増加を測定することによって酵素活性を確認する。
心筋にはLDHが存在し、心筋梗塞等の心臓傷害に際してLDHが心細胞内から血液中に漏出する。このことから血清中のLDH活性は心臓傷害の指標となる。