第99回薬剤師国家試験

◆ 問124

 油脂の変質試験法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
試験操作
 試料油脂約1 gを共栓つき三角フラスコに精密に量りとり、酢酸・クロロホルム(3:2)混液25 mLに溶かす。フラスコ内の空気を窒素ガスで置換し、飽和ヨウ化カリウム溶液1 mLを加えてよく振り混ぜる。暗所で10分間放置後、水30 mLを加えてよく振り混ぜ、デンプン試液を指示薬として、0.01 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
  • 滴定の終点では溶液が淡黄色から青紫色に変化する。
  • 主に油脂中のアルデヒド類が反応する。
  • 指標の値は、油脂1 kgあたりで表す。
  • 指標の値は、変質の進行に伴い減少する。
  • 指標の値は、変質の進行に伴い初めは増加するが、その後減少する。

◆ 問124

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


 過酸化物価を測定する試験操作の滴定では、ヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定していることから青紫色ないし赤紫色が消失した(無色になる)ときを終点とする。


 過酸化物価の測定では、主に油脂中のヒドロペルオキシド(過酸化物)が反応する。


 過酸化物価の指標の値は、油脂1 kg当たりのヨウ素のミリ当量数で表す。


 本試験で測定する過酸化物(ヒドロペルオキシドなど)は、油脂の変質における自動酸化の一次生成物であるため、変質の進行に伴い初めは増加するが、時間が進行すると、徐々に分解し、二次生成物(アルデヒド、ケトン)へと変化する。そのため、本試験の指標の値は、変質の進行に伴い初めは増加するが、その後減少する。