第99回薬剤師国家試験

◆ 問135

農薬とその急性中毒に対する処置・解毒法の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • パラコート  ーーー 酸素吸入
  • ジクロルボス ーーー アトロピンの投与
  • カルバリル  ーーー プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与
  • 塩基性硫酸銅 ーーー ペニシラミンの投与
  • 硫酸タリウム ーーー メチレンブルーの投与

◆ 問135

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


パラコートの急性中毒に対しては、胃洗浄、輸液、強制利尿等を行う。なお、酸素吸入によりパラコートによる肺障害が進行するため、パラコートの急性中毒に対して酸素吸入を行ってはならない。


ジクロルボスの急性中毒時に対しては、プラリドキシムヨウ化物(PAM)やアトロピンの投与を行う。


カルバリルの急性中毒時に対しては、アトロピンの投与を行う。なお、カルバリルは、コリンエステラーゼ(ChE)をカルバモイル化することによりChEを阻害するため、ChEからカルバモイル基を除去ことができないPAMは、カルバリルの急性毒性に対して有効ではない。


塩基性硫酸銅の急性中毒時に対しては、ペニシラミンの投与を行う。


硫酸タリウムの急性中毒時に対しては、プルシアンブルーの投与を行う。なお、メチレンブルーは、薬剤性のメトヘモグロビン血症(アニリンやニトロベンゼンによるメトヘモグロビン血症)の解毒に用いられる。