第99回薬剤師国家試験

◆ 問137

富栄養化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 富栄養化に伴って異常繁殖した動物性プランクトンは、肝毒性を示すミクロシスチンを産生する。
  • 富栄養化に伴って異常繁殖した放線菌や藍藻類の中には、カビ臭物質であるトリハロメタンを産生するものがある。
  • 富栄養化の制限因子は窒素とリンであり、生活雑排水の寄与が大きい。
  • 富栄養化によってプランクトンが大量増殖するとともに、魚介類も異常繁殖する。
  • 富栄養化は閉鎖系水域で発生しやすく、赤潮やアオコの発生要因となっている。

◆ 問137

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


肝毒性を示すミクロシスチンを産生するのは、動物性プランクトンではなく、植物性プランクトンである。


トリハロメタンは、カビ臭物質ではない。放線菌や藍藻類が産生するカビ臭物質には、ジオスミンや2−メチルイソボルネオールがある。


富栄養化とは、生活雑排水及び工場排水によって、閉鎖性水域(湖沼、海域)の窒素及びリンの濃度が上昇し、それに伴って植物プランクトンが異常増殖する現象のことである。


富栄養化によってプランクトンが大量増殖すると、水中の溶存酸素(DO)が減少することや植物プランクトンの死骸がえらに詰まるなどの要因により、魚介類に対して酸欠被害をもたらすことがある。


富栄養化は閉鎖性水域で発生しやすく、海域においては「赤潮」、湖沼においては「水の華」の発生要因となっている。