第99回薬剤師国家試験

◆ 問158

利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • トルバプタンは、集合管のバソプレシンV2受容体を刺激する。
  • トラセミドは、抗アルドステロン作用を有するため、フロセミドと比較して低カリウム血症を起こしにくい。
  • イソソルビドは、遠位尿細管から集合管のアルドステロン受容体を遮断する。
  • インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa−K−2Cl共輸送系を阻害する。
  • アセタゾラミドは、近位尿細管でのHCO3の排泄を増加させる。

◆ 問158

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


トルバプタンは、バソプレシンV2受容体を遮断し、腎集合管での水の再吸収を阻害することにより利尿作用を示す。


ループ利尿薬は、ヘンレ係蹄上行脚におけるNa−K−2Cl共輸送系を阻害して利尿作用を示し、副作用として低カリウム血症を起こしやすい。トラセミドは、抗アルドステロン作用を併せもつループ利尿薬であり、フロセミド(ループ利尿薬)と比較して低カリウム血症を起こしにくい。


イソソルビドは浸透圧性利尿薬であり、尿細管腔内の浸透圧を上昇させ水の再吸収を抑制することにより利尿作用を示す。


インダパミドは非チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管におけるNa−Cl共輸送系を阻害し水の再吸収を抑制することにより利尿作用を示す。


アセタゾラミドは炭酸脱水酵素阻害薬であり、腎尿細管上皮細胞において炭酸脱水酵素を阻害し、Na−H交換系を抑制することによりHCO3の排泄を増加させる。