第99回薬剤師国家試験

◆ 問164

感染症治療薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • テイコプラニンは、リボソームの50Sサブユニットに結合し、タンパク質の合成を阻害する。
  • ジダノシンは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の逆転写酵素を阻害し、HIVの増殖を抑制する。
  • テルビナフィンは、スクアレン−2,3−エポキシダーゼを阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害する。
  • フルシトシンは、ラノステロールC−14脱メチル化酵素を阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害する。
  • リファンピシンは、ペプチドグリカン前駆体と結合し、細胞壁の合成を阻害する。

◆ 問164

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


テイコプラニンは、細菌細胞壁合成前駆体のペプチドC末端D−アラニルD−アラニンと結合して細胞壁合成を阻害する。


ジダノシンは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染細胞内でリン酸化を受けてジデオキシアデノシン5−三リン酸となり、ウイルスの逆転写酵素を阻害して増殖を抑制する。


テルビナフィンは、スクアレン−2,3−エポキシダーゼの阻害し、真菌細胞膜成分のエルゴステロールの生合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。


フルシトシンは真菌細胞内で5−フルオロウラシルへと変換され、さらに代謝を受けた後チミジル酸合成酵素(チミジル酸シンターゼ)を競合的に阻害し、真菌のDNA合成を阻害することにより、抗真菌作用を示す。


リファンピシンは、細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNA合成を阻害することにより、抗菌作用を示す。