第99回薬剤師国家試験
◆ 問182
66歳男性。労作性狭心症のため2週間前にカテーテル治療(Percutaneous coronary intervention, PCI)を受けステントを挿入された。その後退院し、外来受診となった。現在の処方薬

本日の検査結果
LDL−コレステロール122 mg/dL、
HDL−コレステロール53 mg/dL、
トリグリセリド110mg/dL、
空腹時血糖90 mg/dL、
HbA1c(JDS)値5.6%、
HbA1c(NGSP)値6.0%
本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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脂質検査はすべて正常であり、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を中止する。
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血糖はコントロール不良なので、経口糖尿病用薬の追加が必要である。
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クロピドグレル硫酸塩の血小板凝集抑制作用は、CYP2C19遺伝子多型により変動する。
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アスピリンによる消化性潰瘍の副作用に注意が必要である。
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抗血小板薬の併用の必要はない。
◆ 問182
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:3、4
脂質検査値について以下に示す。
・LDL−コレステロール 140 mg/dL以上
・HDL−コレステロール 40 mg/dL以下
・トリグリセリド 150 mg/dL以上
上記のいずれかを確認した場合、脂質異常症であると診断される。
本患者の脂質検査はすべて正常であるが、本患者のようにステントを挿入された患者では、LDL−コレステロールを100 mg/dL未満に抑える必要がある。よって、本患者は、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を継続することが望ましい。
血糖に関する検査値について以下に示す。
・空腹時血糖126 mg/dL未満
・HbA1c(JDS)値6.1%未満
・HbA1c(NGSP)値6.5%未満
上記の場合、血糖コントロールは良好であるとされる。
検査値より、本患者の血糖コントロールは良好であり、経口糖尿病用薬の追加は必要ない。
クロピドグレル硫酸塩は主にCYP2C19によって代謝を受けるため、CYP2C19遺伝子多型によりクロピドグレル硫酸塩の血小板凝集抑制作用は変動する。
アスピリンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害し、プロスタグランジン(PG)産生を抑制するため、副作用として胃酸分泌増加や胃粘膜産生低下等による消化性潰瘍を起こすことがある。
冠動脈へのステント留置処置後は、血栓が形成されやすい状態となっているため、少なくとも施術後3ヶ月間は、血栓症のリスク軽減するために抗血小板薬を併用する必要がある。