第99回薬剤師国家試験

◆問204-205

58歳男性。がんの転移の有無を診断するため、フルデオキシグルコース(18F)を用いた陽電子放出断層撮影法(PET)検査を実施することとなった。

◆ 問204

フルデオキシグルコース(18F)を用いるPET検査に関して誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 本剤は虚血性心疾患の診断にも用いられる。
  • 投与前から撮像までは安静にする。
  • 本剤は血漿中でほとんど代謝されずに存在し、未変化体のまま排泄される。
  • 画像のコントラストをあげるために、同時にグルコースを服用する。
  • 炎症部位等に集積し、偽陽性所見を呈する可能性がある。

◆ 問205


◆ 問204

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


本剤は悪性腫瘍、脳腫瘍、虚血性心疾患、難治性部分てんかんの脳グルコース代謝異常領域の診断に用いられる。


本剤にはグルコースが添加されているため、体を動かすことにより、筋肉などへ集積する性質を有する。そのため、添付文書には「本剤投与前から撮像前は安静にして、激しい運動は行わないこと」と記載されている。


本剤投与時にグルコースを服用すると、グルコースが病変部に集積し、本剤が病変部に集積しにくくなるため、画像のコントラストが低下する。

◆ 問205

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


11C、18Fは陽電子を放出し、201Tlはγ線を放出する。よって、11C、18FはPETに利用されるが、201Tlは、PETに利用されない。


PETで用いられる18F核種は、18Oに陽子を照射することで製造される。


放射性核種から放出された陽電子は、生体内の電子と結合して、ほぼ180度の方向に2本のγ線を放出して消滅する。なお、この現象を陽電子消滅という。


PETはX線CTと組み合わせることにより、不安定同位体で標識した薬物の体内動態を画像表示することができる。


PETでは、他の核医学検査(SPECTなど)と同様、生体の機能情報を得ることができる。