第99回薬剤師国家試験

◆問238-239

パーキンソン病の疑いで入院した患者に対し、交感神経の機能を評価するために、γ線を放出する放射性医薬品を用いて画像診断を行うことになった。

◆ 問238

次の医薬品のうち、この画像診断で使用される放射性医薬品(核種)はどれか。1つ選べ。
  • 3-ヨードベンジルグアニジン(123I)
  • 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
  • 塩化インジウム(111In)
  • クエン酸ガリウム(67Ga)
  • クリプトン(81mKr)

◆ 問239


◆ 問238

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


選択肢にある放射性医薬品のうち、交感神経の機能を評価するために用いられるものは、選択肢1の3−ヨードベンジルグアニジン(123I)である。3−ヨードベンジルグアニジン(123I)は、交感神経伝達物質であるノルアドレナリンと同様に神経終末への取り込まれるという性質を有していることから、心シンチグラフィによる心臓疾患の診断、腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫、褐色細胞腫の診断や交感神経機能が障害されるパーキンソン病の診断に用いられる。
他の選択肢の「効能・効果」を以下に示す。
・過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)の効能・効果
脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断
・塩化インジウム(111In)の効能・効果
骨髄シンチグラムによる造血骨髄の診断
・クエン酸ガリウム(67Ga)の効能・効果
悪性腫瘍の診断や炎症性病変の診断
・クリプトン(81mKr)の効能・効果
局所肺血流検査、局所肺換気能検査、局所脳血流検査

◆ 問239

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


γ線は電磁波の一種である。


放射線荷重係数とは、放射線の種類による被曝の大きさを補正するための係数である。電離放射線の中で、放射線荷重係数が最も大きいのはα線である。


β+線を照射すると、電子と衝突して消滅し、その際、別の種類の放射線(消滅放射線:γ線)が放出されることがある。なお、γ線を照射すると、電子と衝突して特性X線が放出されることがあるため、「誤」とすることは適切であるとはいえない。


γ線は、医療用のプラスチック製品の滅菌処理に用いられる。


γ線は透過力が大きいため、アクリル板で遮蔽することはできない。なお、γ線の遮蔽には、鉛板が用いられる。