第99回薬剤師国家試験

◆問250-251

37歳男性。食欲不振、消化不良の症状があった。自らの判断で、六君子湯 (ニンジン、ハンゲ、ブクリョウ、ソウジュツ、タイソウ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ)を購入し、服用していた。しかし、下血を伴う下痢と腹痛を繰り返すようになり、近医を受診したところ、潰瘍性大腸炎と診断され、以下の薬剤が処方された。

◆ 問250

処方された薬剤及び六君子湯に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 六君子湯は、グレリンの分泌を介して食欲不振などの胃腸症状を改善する。
  • サラゾスルファピリジンは、腸内細菌により、5−アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解される。
  • サラゾスルファピリジンは、潰瘍性大腸炎以外に消化性潰瘍の治療に用いられる。
  • プレドニゾロンは、コルチゾールに比べ、鉱質コルチコイド作用が強く、糖質コルチコイド作用が弱い。
  • 治療を長期間継続する場合には、サラゾスルファピリジンを徐々に減量してプレドニゾロンによる維持療法とする。

◆ 問251


◆ 問250

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2


グレリンとは、摂食亢進作用や消化管運動亢進作用をもつホルモンのことである。六君子湯は、グレリンの分泌促進を介して、食欲不振などの胃腸症状を改善する。


サラゾスルファピリジンは、腸内細菌の還元作用により、5−アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解され、このうち、5−アミノサリチル酸は腸管内で抗炎症作用を示す。


サラゾスルファピリジンは、潰瘍性大腸炎の治療に用いられるが、消化性潰瘍の治療には用いられない。


プレドニゾロンは、コルチゾールに比べ、鉱質コルチコイド作用が弱く、糖質コルチコイド作用が強い。


潰瘍性大腸炎の寛解維持療法には、プレドニゾロンのような合成副腎皮質ステロイド製剤は用いられない。なお、潰瘍性大腸炎の寛解維持療法には、免疫抑制剤や5−アミノサリチル酸等が用いられる。

◆ 問251

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


六君子湯は重大な副作用として、偽アルドステロン症ミオパシー、肝機能障害、黄疸を起こすことがある。