第99回薬剤師国家試験

◆問252-253

37歳女性。脂質異常症のため病院で以下の薬剤が処方されている。
99回問252-253画像1

◆ 問252


◆ 問253

この患者が、自宅で熱傷を負い緊急受診し、抗菌薬を投与されることとなった。担当医師より抗菌薬の選択について問い合わせがあった。ピタバスタチンカルシウム錠との併用において、薬物動態上、注意を要する抗菌薬はどれか。1つ選べ。
  • レボフロキサシン水和物
  • クリンダマイシン塩酸塩
  • エリスロマイシンステアリン酸塩
  • セフカペンピボキシル塩酸塩
  • アジスロマイシン水和物

◆ 問252

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


スタチン系薬は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(HMG−CoA)還元酵素を競合的に阻害し、コレステロールの生合成を抑制する。


スタチン系薬は、肝臓におけるコレステロールの生合成を抑制し、肝臓内コレステロール量を低下させることにより肝細胞膜表面の低密度リポタンパク質(LDL)受容体を増加させ、血中からのLDLコレステロール取り込みを促進する。


スタチン系薬を持続的に使用すると、血中コレステロールが低下するとともに、間接的に血中トリグリセリド濃度が低下する。


スタチン系薬は、血中HDLコレステロールを上昇させる。


スタチン系薬は、重大な副作用として、横紋筋融解症やミオパチー、肝機能障害等を起こすことがある。

◆ 問253

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


選択肢のうち、ピタバスタチンカルシウム錠との併用において、薬物動態上、注意を要する抗菌薬は「エリスロマイシンステアリン酸塩」である。エリスロマイシンはピタバスタチンを肝細胞内に取り込む有機アニオントランスポーター(OATP1B1)を阻害する作用を有する。このことから、エリスロマイシンとピタバスタチンを併用すると、ピタバスタチンの肝への取り込みが阻害され、血中濃度が上昇し、横紋筋融解症等の副作用が現れるおそれがある。