第99回薬剤師国家試験

◆問272-273

23歳女性。体重45 kg。てんかんと診断され、下記の処方による治療が開始された。
99回問272-273画像1

◆ 問272


◆ 問273

フェニトインの投与量が増加したとき、代謝飽和のために値が小さくなる薬物動態パラメータはどれか。1つ選べ。
  • 全身クリアランス
  • 分布容積
  • 血中消失半減期
  • 最高血中濃度/投与量
  • 血中濃度時間曲線下面積/投与量

◆ 問272

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


フェニトインの消失速度は、Michaelis−Menten式で表される。
99回問272-273画像1

また、定常状態では、注入速度=消失速度の関係が成立するため、以下のような関係式が成立する。
99回問272-273画像2

本症例では「フェニトイン錠100 mg 1回1錠(1日3錠)」処方されていることから、1日当たりの注入速度は300 mg/dayとなる。
これらのことから、Cssを以下のように求めることができる。
99回問272-273画像3
フェニトインの有効濃度域は10〜20 µg/mLであるため、定常状態でのフェニトインの血中濃度は、有効濃度域の下限付近にあると考えられる。

◆ 問273

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


フェニトインの投与量の増加により、代謝の飽和(消失の飽和)が生じた場合のパラメータ変化を以下に示す。
・全身クリアランスの低下
・消失速度定数の低下
・消失半減期の延長
・最高血中濃度/投与量の増加
・血中濃度時間曲線下面積/投与量の増加