第99回薬剤師国家試験

◆問280-281

65歳女性。関節リウマチで内服薬を服用していたが、十分な治療効果が認められなかったため、モノクローナル抗体(遺伝子組換え)製剤が投与されることとなった。

◆ 問280


◆ 問281

前問で選択した2種の注射剤に共通する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 密閉容器に保存されている。
  • 遮光し、2〜8℃で保存する。
  • 生理食塩液に対する浸透圧の比は6である。
  • 無菌試験法に適合する。

◆ 問280

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


選択肢にある薬物のうち、関節リウマチの治療に用いられるのは、「アダリムマブ皮下注」「トシリズマブ点滴静注用」である。選択肢の薬物の特徴を以下に示す。
・アダリムマブ:完全ヒト型抗TNF−αモノクローナル抗体
関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎などの治療に用いられる。
・ウステキヌマブ:ヒト型抗ヒトIL−12/23p40モノクローナル抗体
尋常性乾癬、関節症性乾癬の治療に用いられる。
・トシリズマブ:ヒト化抗ヒトIL−6受容体モノクローナル抗体
関節リウマチの治療などに用いられる。
・トラスツズマブ:抗HER2ヒト化モノクローナル抗体
HER2過剰発現が確認された乳がん
HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんの治療に用いられる。
・バシリキシマブ:抗ヒトIL−2受容体α鎖(CD25)モノクローナル抗体
腎移植後の急性拒絶反応の抑制に用いられる。

◆ 問281

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、4


両剤ともに、密封容器に保存されている。

両剤の生理食塩液に対する浸透圧の比を以下に示す。
・アダリムマブ皮下注:約1
・トシリズマブ点滴静注用:約0.5〜1