第99回薬剤師国家試験

◆問284-285

65歳男性。血液透析が施行されており、以下の薬剤を処方されていた。
99回問284-285画像1
今回の検査において、eGFR(推算糸球体ろ過速度)15 mL/min/1.73 m2、血中リン濃度5.5 mg/dL、補正血中カルシウム濃度11.0 mg/dL、血中アルブミン濃度3.7 g/dLという結果となり、以下の処方に変更になった。
99回問284-285画像2

◆ 問284


◆ 問285

セベラマー塩酸塩錠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
  • 主薬は、消化酵素で分解されて活性体となる。
  • 主薬は、カチオン性ポリマーである。
  • 主薬は、水に速やかに溶解する。
  • 胃で作用する製剤である。
  • 浸透圧を利用して主薬を放出する。

◆ 問284

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


カルタン錠(沈降炭酸カルシウム製剤)は、消化管においてカルシウムとリンを結合させることによりリンの吸収を抑制し、血中リン濃度を低下させる。


カルタン錠(沈降炭酸カルシウム製剤)は副作用として、高カルシウム血症を起こすことがある。本患者は検査において、補正血中カルシウム濃度(基準値:8.5〜10.5 mg/dL)が高値を示しているため、高カルシウム血症を起こしにくいセベラマー塩酸塩への処方変更が行われたと考えられる。


セベラマー塩酸塩錠は、消化管においてリンを吸着することによりリンの吸収を抑制し血中リン濃度を低下させる。


セベラマー塩酸塩錠は重大な副作用として、腸管穿孔や腸閉塞を起こすことがある。

◆ 問285

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


本剤の主薬は、カチオン性ポリマーであり、消化管においてリンを吸着することによりリンの吸収を抑制する。