第99回薬剤師国家試験

◆問290-291

75歳男性。アレルギー性鼻炎のため耳鼻科を受診後、保険薬局で以下の処方せんの調剤薬を受け取り、夕方から服薬を開始した。翌日午前中に、尿が出にくくなったと訴えて、この薬局に相談に来た。
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◆ 問290


◆ 問291

この患者が病院を受診した。直腸診で、弾性があり硬い腫瘤が直腸前壁に触知された。最も疑われる疾病と、当該疾病の診断が確定したときの治療薬の組み合わせとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 直腸がん−フルオロウラシル
  • 直腸がん−イリノテカン塩酸塩水和物
  • 前立腺肥大症−デュタステリド
  • 前立腺肥大症−フルタミド
  • 腎不全−シラザプリル水和物
  • 腎不全−ロサルタンカリウム

◆ 問290

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


本患者は尿が出にくくなったと訴えていることから、本患者に現れた症状の原因は、処方1のクレマスチン錠の抗コリン作用による尿閉であると考えられる。

◆ 問291

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


問題文に「直腸診で、弾性があり硬い腫瘤が直腸前壁に触知された。」と記載されていることから、本患者は、前立腺肥大症に罹患している可能性が高い。選択肢3、4のうち、前立腺肥大症の治療に用いられるのはデュタステリドである。デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害して、前立腺の肥大を抑制する。