第99回薬剤師国家試験

◆ 問326

患者情報の取扱いに関する記述のうち、個人情報保護の観点から不適切なのはどれか。1つ選べ。
  • 暗号化により特定の個人を識別できないデータだったので、個人情報に該当しないと考えた。
  • 薬局において、処方せんの記載内容について疑義照会を行うために、発行元の医療機関に当該処方せんをFAX送信した。
  • 当院に通院している患者が意識不明で他院に救急搬送された。本人の同意を得ずに搬送先の担当医に当該患者の処方歴を知らせた。
  • 介護保険施設において、開催した行事で撮影した写真を、利用者の同意を得ずにホームページに掲載した。
  • 現在、患者の看護にあたっている娘に対して、患者本人の同意を得ることなく、調剤している薬剤の情報提供を行った。

◆ 問326

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


個人情報とは、特定の個人を識別することができる情報である。よって、暗号化により特定の個人を識別できないデータは、個人情報に該当しないと考えることができる。


疑義照会の内容を確認するために、発行元の医療機関に当該処方せんをFAX送信することは、調剤業務を行うにあたって適切な行為であるといえる。


意識を失った患者の場合、同意を得ることができない。また、意識を失った患者の治療をするに当たり、処方歴の情報は有用であるため、本人の同意を得ずに搬送先の担当医に当該患者の処方歴を知らせることは適切である。


個人が特定できる場合、その写真は個人情報に該当する。よって、個人情報保護の観点から介護保険施設において、開催した行事で撮影した写真を、本人の同意を得ることなくホームページに掲載することはできない。


調剤した薬剤に対する情報提供は、患者又はその看護にあたっているものに行うことができる。