第99回薬剤師国家試験

◆ 問98

電気泳動法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • イオン性物質の移動速度は電場の強さに比例する。
  • SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、タンパク質は陽極から陰極に向かって泳動される。
  • SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動では、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度が大きくなる。
  • 等電点電気泳動では、電極間にpH勾配を形成させてタンパク質の分離を行う。
  • アガロースゲル電気泳動でDNAを分離するには、試料に臭化エチジウムを加える必要がある。

◆ 問98

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


電気泳動におけるイオン性物質の移動速度は、電場の強さ、電圧、イオン性物質の電荷、電極間の距離、溶媒の粘度、イオン性物質の半径の影響を受ける。
・イオン性物質の移動速度と比例するもの
電場の強さ、電圧、イオン性物質の電荷
・イオン性物質の移動速度と反比例するもの
溶媒の粘度、電極間の距離、イオン性物質の半径


SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動でタンパク質を分離する場合、還元剤(2−メルカプトエタノールなど)により、タンパク質の立体構造を破壊し、そこに界面活性剤を加えることによりタンパク質を負に帯電させる。その後、電気泳動を行うため、タンパク質は陰極から陽極に向かって泳動される。


電気泳動に用いられるゲルは網目構造をしており、濃度が高くなると網目が細かくなるため、ゲルの濃度が高いほど、タンパク質の移動度は小さくなる。


等電点電気泳動法は、酸や塩基を添加することにより電極間にpH勾配を形成させ、等電点の異なる物質を分離する方法である。


臭化エチジウムは、分離したDNAを検出する際に用いられる試薬であり、アガロースゲル電気泳動により試料を分離する際に添加する必要はない。