第100回薬剤師国家試験

◆ 問167

薬物代謝に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。
  • 高齢者では、CYPによる酸化的代謝とグルクロン酸抱合代謝が同程度に低下する。
  • 喫煙はCYP1A2の誘導を引き起こし、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
  • CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。

◆ 問167

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


肝疾患(脂肪肝や肝硬変など)に罹患すると、シトクロムP450(CYP)は減少するが、抱合反応やアルコールの酸化に関与する酵素はほとんど変化しないため、シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。


加齢に伴い、CYPの活性は低下するが、グルクロン酸抱合能はほとんど変化しない。


喫煙はCYP1A2の誘導を引き起すが、トリアゾラムは主にCYP3A4で代謝されるため、喫煙によりトリアゾラムの血中濃度はほとんど変化しない。


遺伝子多形とは、人口の1%以上の頻度でヒトにみられる遺伝子の変異のことであり、CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。