第100回薬剤師国家試験

◆ 問182

58歳男性。既往歴なし。息切れ、胸痛等の自覚症状はなかったが、健康診断の胸部レントゲン検査で、心拡大を指摘されたため、近医を受診した。心臓超音波検査で壁厚の異常は見られなかったが、心内腔が拡大し、全周性に壁運動が低下していた。血圧138/82 mmHg、脈拍数72/分、心電図上異常なし。腎機能、肝機能異常なし。血漿BNP値は78 pg/mLで軽度上昇していた。
本症例に対する第一選択薬として、薬剤師が推奨すべき薬物はどれか。2つ選べ。
  • アミオダロン塩酸塩
  • ドブタミン塩酸塩
  • エナラプリルマレイン酸塩
  • ピモベンダン
  • ビソプロロールフマル酸塩

◆ 問182

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


本症例では、壁厚の異常なし、心内腔の拡大、全周性に壁運動が低下していることから、拡張型心筋症であり、また、血漿BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)値が軽度上昇していることから、軽度の慢性心不全状態にあると推測される。選択肢のうち、軽度の慢性心不全に対して用いられるのは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬であるエナラプリルマレイン酸塩と選択的β1受容体遮断薬であるビソプロロールフマル酸塩である。