第100回薬剤師国家試験

◆問268-269

35歳女性。妊娠初期に妊娠糖尿病と診断され、食事療法を行っていたが血糖コントロールが不良となったため、薬物療法の開始が検討された。

◆ 問268


◆ 問269

薬物の胎盤透過に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 一般に、分子量5,000以上の薬物も透過して胎児へ移行する。
  • 胎盤にはP−糖タンパク質が発現し、薬物の胎盤への移行を促進している。
  • 多くの薬物の胎盤透過は、pH分配仮説に従う。
  • 一般に、母体中の血漿タンパク質結合形薬物は、胎盤へ移行しない。
  • 一般に、水溶性の高い薬物ほど胎盤を透過しやすい。

◆ 問268

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


妊娠中に血糖コントロールが不良となった場合には、経口血糖降下薬と投与せず、インスリンを投与する。

◆ 問269

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


薬物の胎盤通過過程では、合胞体性栄養膜細胞(血液胎盤関門)を通過する必要がある。一般に、分子量1,000以上の薬物、水溶性の高い薬物は血液胎盤関門を透過しにくい。


胎盤にはP−糖タンパク質が発現しており、薬物の胎盤への移行を制御している。


母体中の血漿タンパク質結合形薬物は分子量が大きいため、胎盤へ移行しない。