第101回薬剤師国家試験

◆問244-245

58歳男性。糖尿病のため、食事療法及び運動療法に加え、経口糖尿病治療薬による治療を受けていた。効果不十分のため、ペン型インスリン製剤を用いることになった。

◆ 問244

インスリン製剤の選択に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 超速効型及び速効型インスリン製剤は、インスリンの追加分泌を補うのに用いる。
  • 持効型及び中間型インスリン製剤は、インスリンの基礎分泌を補うのに用いる。
  • スルホニル尿素系薬を併用する場合、速効型インスリン製剤を用いる。
  • 混合型インスリン製剤を毎食前1日3回投与すると、生理的なインスリン動態に近づけることができる。
  • 速効型インスリン製剤を毎食前1日3回投与し続けると、再び経口糖尿病薬に反応するようになることが期待できる。

◆ 問245


◆ 問244

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


インスリンの分泌には食事等に関係なく常に一定のインスリンが分泌される基礎分泌と食事により血糖値が上昇することで多くのインスリンが分泌される追加分泌がある。インスリン製剤には様々な種類のものがあり、それぞれ持続時間及び役割が異なる。
1 正しい
2 正しい
3 誤っている
スルホニルウレアなどの経口糖尿病薬を継続しながらインスリンを併用するBOT(basal supported oral therapy)では、持続型インスリン製剤が1日1回用いられる。
4 正しい
混合型インスリン製剤には超速効型又は速効型インスリンと中間型インスリン又は持効性インスリンを混合したものがあり、基礎分泌および追加分泌を補充することができるため、混合型インスリン製剤を毎食前(毎食直前)1日3回投与すると、生理的なインスリン動態に近づけることができる。
5 正しい
速効型インスリン製剤を毎食前1日3回投与し続けることにより、膵ランゲルハンスβ細胞を休息させることができるため、インスリン分泌能が回復し再び経口糖尿病薬に反応するようになることがある。

◆ 問245

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


1 誤

回収した使用済みの針は、医療産業廃棄物に該当するため、その処理責任は排出事業者が負う。

2 誤

使用済み針は感染性廃棄物として取扱い、未使用の針は感染性廃棄物と同様の取扱いをする。よって、使用済み針と未使用の針は必ず分別しなくてもよい。

3 誤

使用済み針は、感染性を有する産業廃棄物であるため、特別管理産業廃棄物として扱う。

4 正

医療廃棄物のうち、感染性のない鋭利なものについては、感染性廃棄物と同様の取扱いをする。

よって、滅菌後の使用済み針及び未使用の針は、感染性廃棄物と同様の扱いをする。

5 正

4参照