第102回薬剤師国家試験

◆ 問128

下図は、死因別にみた死亡率の年次推移を、1947年から2014年まで示した結果である。各死因の死亡率の変遷の理由について正しいのはどれか。2つ選べ。
102回問128画像1
  • ①の死亡率の上昇には人口の高齢化は関与しない。
  • 1995年前後に②の死亡率が急激に減少し、④の死亡率が増加したのは、国際ルールの変更により、死因の統計処理法が変わったことによる。
  • ③の死亡率が1980年代から増加してきたのは、新しい種類の③として、抗菌剤が効かない新興感染症が急激に増えたためである。
  • ④の死亡率が1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってカルシウムの摂取量が増えたことが主要な要因と考えられる。
  • 1950年まで死因のトップであった⑤の死亡率が激減したのは、新たな治療薬などの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。

◆ 問128

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


設問のグラフにある①〜⑤の死因は以下の通りである。
①悪性新生物、②心疾患、③肺炎、④脳血管疾患、⑤肺結核
1 誤
悪性新生物による死亡は、40〜50代ぐらいから上昇することから悪性新生物(①)の死亡率の上昇には人口の高齢化が関与する。

2 正
1995年前後に心疾患(②)の死亡率が急激に減少し、脳血管疾患(④)の死亡率が増加したのは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改定により死亡診断書の記載方式が変更されたためである。

3 誤
肺炎による死亡者の95%以上は65歳以上の高齢者であることから、肺炎(③)の死亡率が1980年代から増加してきたのは、人口の高齢化により肺炎よる死亡者が増えたためである。

4 誤
脳血管疾患(④)の死亡率が1970年代から減少傾向にあるのは、食生活の変化によってナトリウムの摂取量が減ったことによる血圧低下が主要な要因と考えられる。

5 正
1950年まで死因のトップであった肺結核(⑤)の死亡率が激減したのは、新たな治療薬などの医療の進歩、衛生水準の向上や栄養状態の改善によるところが大きい。