第103回薬剤師国家試験

◆ 問156

本態性高血圧治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • アテノロールは、血管平滑筋細胞のCa2チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる。
  • ドキサゾシンは、交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することで血管平滑筋を弛緩させる。
  • トリクロルメチアジドは、遠位尿細管のNa−Cl共輸送系を阻害することでNaの再吸収を抑制する。
  • テルミサルタンは、アンギオテンシンⅡによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。
  • アリスキレンは、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す。

◆ 問156

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


1 誤
アテノロールは、アドレナリンβ1受容体遮断薬であり、心機能抑制作用、レニン分泌抑制作用により降圧作用を示す。なお、血管平滑筋細胞のCa2チャネルを阻害することで血管平滑筋を弛緩させる薬物として、アムロジピンベシル酸塩などがある。
2 誤
ドキサゾシンは、選択的アドレナリンα1受容体遮断薬であり、血管平滑筋のアドレナリンα1受容体を遮断することにより降圧作用を示す。

3 正
トリクロルメチアジドは、チアジド系利尿薬であり、遠位尿細管のNa−Cl共輸送系を阻害することでNaの再吸収を抑制する。

4 正
テルミサルタンは、アンギオテンシンⅡAT1受容体遮断薬であり、AT1受容体を遮断し、アンギオテンシンⅡによる副腎皮質球状層からのアルドステロン分泌を抑制することで利尿作用を示す。

5 誤
アリスキレンは、直接レニン阻害薬であり、レニンを選択的に阻害することにより、降圧作用を示す。なお、集合管のアルドステロン受容体を遮断することで利尿作用を示す薬物として、スピロノラクトンやエプレレノンがある。