第103回薬剤師国家試験

◆ 問165

図は、カテコールアミンの生合成・代謝経路を示している。ただし、A~Eは化合物を、ア~エは酵素を示している。パーキンソン病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
103回問165画像1
  • ベンセラジドは、エを阻害してEの生成を抑制し、シナプス間隙でのBの濃度を上昇させる。
  • セレギリンは、イを阻害して末梢でのBの生成を抑制する。
  • エンタカポンは、ウを阻害して末梢でのDの生成を抑制する。
  • ドロキシドパは、血液−脳関門を通過し、脳内でイによりCに変換される。
  • イストラデフィリンは、アの発現上昇を介してAの生成を促進する。

◆ 問165

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


<化合物>
A:ドパ(レボドバ)、B:ドパミン、C:ノルアドレナリン
D:3−O−メチルドパ、E:3,4−ジヒドロキシマンデル酸
<酵素>
ア:チロシンヒドロキシラーゼ、イ:芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素
ウ:COMT(カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ)、エ:MAOB(B型モノアミン酸化酵素)
1 誤
ベンセラジドは、末梢において芳香族L−アミノ酸脱炭酸酵素(イ)を阻害してレボドパ(A)からドパミン(B)の生成を阻害することにより中枢へのレボドパ(A)の移行性を高めている。
2 誤
セレギリンは、MAOB(エ)を阻害してドパミン(B)から3,4−ジヒドロキシマンデル酸(E)の生成を抑制し、シナプス間隙でのドパミン(B)の濃度を上昇させる。
3 正
エンタカポンは、末梢においてCOMT(ウ)を阻害してレボドパ(A)から3−O−メチルドパ(D)の生成を阻害することにより中枢へのレボドパ(A)の移行性を高めている。
4 正

5 誤
イストラデフィリンは、GABA遊離促進に関わるアデノシンA2A受容体を遮断し、GABA神経の興奮を正常な状態に近づけることにより、パーキンソン病による運動機能低下を改善する。