第103回薬剤師国家試験

◆問216-217

45歳女性。4年前、2型糖尿病と診断され、グリメピリド錠とボグリボース錠による薬物治療を開始した。最近の検査の結果より、主治医は以下の薬剤を追加した。患者はその処方箋を薬局に持参した。
103回問216-217画像1

◆ 問216


◆ 問217

SGLT2選択的阻害薬の副作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。
  • 低血糖
  • 尿路感染症
  • 脱水
  • 血圧上昇
  • 体重減少

◆ 問216

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


1 誤
SGLT2は、主に尿細管におけるグルコースの吸収に関与する。なお、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与するのは、SGLT1である。

2 正
GLUTは、濃度勾配に従いグルコースを輸送する担体(促進拡散に関わる担体)である。

3 正
SGLT2は、Naの濃度勾配を駆動力として、尿細管のグルコースを再吸収する。

4 誤
GLUTは、二糖であるマルトースの輸送には関与しない。

5 誤
解説1参照

◆ 問217

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、2、3、4、5


SGLT2選択的阻害薬は、尿中のグルコースの再吸収を阻害することにより、尿中のグルコース濃度を増加させる。それにより、副作用として、尿路感染症(尿中のグルコースが増えることにより尿路で細菌が繁殖しやすくなる)や脱水(尿中のグルコースが増えることにより尿細管の浸透圧が上昇し、尿量が増大する)を引き起こすことがある。また、低血糖および尿中のグルコースの再吸収低下に伴いエネルギー消費が増加し、体重減少が認められることがある。
SGLT2選択的阻害薬の中には、副作用として高血圧、血圧上昇が現れることがあるため、選択肢「血圧上昇」については「正」「誤」どちらともいえない。よって、本問は「解なし」扱いとなった。