第103回薬剤師国家試験
◆問238-239
40歳女性。身長156 cm。体重65 kg。会社を経営し、ストレスを感じている。食生活も不規則で、運動もほとんどしない。最近、急に便秘がひどくなり、お腹が張るようになった。両親とも大腸がんで亡くなっていることから心配になり、相談のため薬局を訪れた。◆ 問238
大腸がんの検査について薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。-
年齢を考慮すると定期的な検査が必要です。
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大腸がんの検査では、通常、まず遺伝子診断が行われます。
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早期の大腸がんは症状がなく、早期発見には便潜血検査が有効です。
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大腸内視鏡検査では、結腸は調べられますが、直腸は調べられません。
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大腸がんの血液検査では、腫瘍マーカーとして、AFP(α−フェトプロテイン)を調べます。
◆ 問239
◆ 問238
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、3
1 正
大腸癌の罹患率は、40歳位から増加し始めるため、大腸がん検診は40歳を過ぎたら毎年受けるように推奨されている。
2 誤
大腸がんの検査では、通常、便潜血検査から行われる。なお、大腸がんに対して抗がん剤(セツキシマブ、パニツムマブなど)を使用する際に、遺伝子診断が行われることがある。
3 正
4 誤
大腸内視鏡検査では、大腸(結腸、直腸)全体を調べることが可能である。
5 誤
大腸の腫瘍マーカーには、CEAやCA19−9が用いられる。なお、腫瘍マーカーとして、AFP(α−フェトプロテイン)を調べるのは、肝臓がんの場合である。
◆ 問239
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、2
1 正
大腸がんの中には、遺伝性非ポリポーシス大腸がんや家族性大腸腺腫症という遺伝性疾患がある。それらについては家族歴が発症のリスク因子となる。
2 正
3 誤
ベーコンなどの加工肉の摂取は、大腸がん発症のリスクを上げる。
4 誤
魚由来の不飽和脂肪酸の摂取は、大腸がん発症のリスクを下げる。
5 誤
適度な運動は、大腸がん発症のリスクを下げる。