第104回薬剤師国家試験

◆ 問151

細胞膜受容体を介する情報伝達に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • ニコチン性アセチルコリンNN受容体が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが抑制され、サイクリックAMP(cAMP)濃度が低下する。
  • ムスカリン性アセチルコリンM2受容体が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP濃度が上昇する。
  • アドレナリンα1受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。
  • バソプレシンV2受容体が刺激されると、受容体分子内のイオンチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。
  • インスリン受容体が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。

◆ 問151

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


1 誤
ニコチン性アセチルコリンNN受容体(Naチャネル内蔵型受容体)が刺激されると、Naチャネルが開口し、興奮性シナプス後電位(EPSP)が発生する。

2 誤
ムスカリン性アセチルコリンM2受容体(Giタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼの活性化が抑制され、cAMP濃度が低下する。

3 正
アドレナリンα1受容体(Gqタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Gqタンパク質を介してホスホリパーゼCが活性化され、イノシトール三リン酸及びジアシルグリセロールが産生される。

4 誤
バソプレシンV2受容体(Gsタンパク質共役型受容体)が刺激されると、Gsタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、cAMP濃度が上昇する。

5 正
インスリン受容体(チロシンキナーゼ関連型受容体)が刺激されると、受容体の細胞質領域に存在するチロシンキナーゼが活性化され、インスリン受容体基質(IRS)がリン酸化される。