第104回薬剤師国家試験

◆問256-257

76歳男性。軽度の認知症、糖尿病、高血圧、うつ病のため、以下の処方薬を常用している。 1年前から頻尿、残尿感及び排尿困難感があったが放置していた。風邪気味であったため、 2日前に自宅の常備薬である市販の総合感冒薬を服用した。昨日の昼から尿がほとんど出なくなったため、かかりつけ薬剤師に相談に来た。
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また、総合感冒薬に含まれている成分は以下のとおりである。
アセトアミノフェン
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩
ジヒドロコデインリン酸塩
dl−メチルエフェドリン塩酸塩
無水カフェイン

◆ 問256

この患者が常用している処方薬の中で、この総合感冒薬と併用すると排尿障害が増悪する可能性の高い薬剤はどれか。1つ選べ。
  • カンデサルタン口腔内崩壊錠
  • シタグリプチンリン酸塩水和物錠
  • イミプラミン塩酸塩錠
  • ボグリボース錠
  • リバスチグミン経皮吸収型製剤

◆ 問257


◆ 問256

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


本患者が服用している処方薬のうち、イミプラミン塩酸塩錠は三環系抗うつ薬であり抗コリン作用を有するため、副作用として排尿障害等の症状が現れる可能性がある。また、今回服用した市販の総合感冒薬に含まれるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩は、第1世代ヒスタミンH1受容体遮断薬であり抗コリン作用を有するため、両薬剤を併用すると排尿障害が増悪する可能性が高い。

◆ 問257

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


イミプラミン塩酸塩及びd-クロルフェニラミンマレイン酸塩はともに抗コリン作用を有するため、排尿筋のムスカリン性アセチルコリンM3受容体を遮断することで排尿障害等を引き起こす恐れがある。