第104回薬剤師国家試験

◆問284-285

45歳男性。結腸がんによる結腸切除術後に全身に転移が見られ、処方1により疼痛コントロールを行っていた。今回、疼痛増悪による疼痛コントロール目的で入院となり、処方2に変更となった。
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入院時に薬剤師が行った痛みの評価では、「午後になると痛みが強くなる、NRS(Numerical Rating Scale):8/10」、「どのタイミングか不明だが突然痛みが出る。痛みが出始めるとすぐに強い痛みとなる、NRS:8/10」とのことであった。
処方2の薬剤服用開始後に行った評価は、「午後になると強くなる痛みは改善、NRS:3/10」、「突然痛くなる状況は変化がない、NRS:8/10」であり、この結果を受けて緩和ケアチームで患者の処方を検討することになった。

◆ 問284

緩和ケアチームの薬剤師は、オキシコドン塩酸塩水和物散からの処方変更を提案した。代替の薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
  • フェンタニル経皮吸収型製剤
  • フェンタニルクエン酸塩舌下錠
  • モルヒネ硫酸塩水和物徐放性細粒
  • モルヒネ塩酸塩水和物坐剤
  • モルヒネ塩酸塩注射液

◆ 問285


◆ 問284

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


 本症例では、処方1により疼痛管理をしていたが、疼痛管理がうまくいかないことから処方2に変更された。処方2に変更することにより午後になると強くなる痛みは改善したが、突然痛くなる状況は変化しなかった。このことから、レスキュードーズ(追加投与)として用いられているオキシコドン塩酸塩水和物を変更する必要がある。選択肢のうち、レスキュードーズ(追加投与)として用いることができるのは、「フェンタニルクエン酸塩舌下錠」である。なお、他の選択肢は癌の疼痛管理に用いることができるが、適応症にレスキュードーズ(追加投与)を有していないことから、レスキュードーズ(追加投与)として用いられることはない。

◆ 問285

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3


前問では、突然の痛みに対して、すみやかな薬効の発現を期待して、オキシコドン塩酸塩水和物散からフェンタニルクエン酸舌下錠への変更を提案したと考えられる。