第106回薬剤師国家試験

◆問124-126

ビタミン K は正常な生理機能の維持に不可欠であり、通常は必要量を食品から摂取している。

◆ 問124

ビタミン K の摂取及び過不足に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 緑色野菜などのビタミン K を多く含む食品の摂り過ぎによる過剰症が知られている。
  • 肝・胆道疾患では、腸管からの吸収が低下すると、不足しやすい。
  • 過剰摂取により、頭蓋内出血や消化管出血が起こることがある。
  • 母乳中に多く含まれるため、母乳を授乳される新生児には不足は起こりにくい。
  • 発酵食品である納豆は、ビタミン K2(メナキノン類)を多く含むので、食品からのビタミン K の供給源の一つである。

◆ 問125


◆ 問126


◆ 問124

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、5


1 誤
緑黄色野菜、納豆などのビタミンKを多く含む食品を摂り過ぎによる過剰症は知られていない。

2 正
肝・胆道疾患では、胆汁うっ滞により腸管に分泌される胆汁酸が減少するため、脂溶性ビタミンであるビタミンKの吸収が低下し、ビタミンK欠乏症を起こしやすい。

3 誤
ビタミンKが不足すると、凝固因子の機能が低下するため、頭蓋内出血や消化管出血が起こることがある。

4 誤
母乳中のビタミンK含量が少なく、個人差が大きいため、母乳を授乳される新生児でも不足することがある。

5 正
天然に存在するビタミンKは2種類あり、緑黄色野菜などに含まれるビタミンK1(フィロキノン類)及び細菌によって合成されるビタミンK2(メナキノン類)がある。納豆には納豆菌によって合成されるビタミンK2が多く含まれる。

◆ 問125

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


1 正しい
メナテトレノンは脂溶性であり、ヘキサンには極めて溶けやすいが、水にはほとんど溶けない。

2 正しい
メナテトレノンは光によって分解し、着色が強くなる。

3 正しい
メナテトレノンは、還元されるとヒドロキノン型になる。

4 誤っている
赤外吸収スペクトルにおいて、1750〜1650 cm-1 付近にカルボニル基に由来する吸収を示す。なお、1500 cm-1 指紋領域であり、官能基特有の吸収は現れない。

5 正しい

◆ 問126

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


1 正
ビタミンKは、ビタミンK依存性凝固因子である第Ⅱ因子(プロトロンビン)、Ⅶ因子、Ⅸ因子、Ⅹ因子の生成に関与する。

2 誤
ワルファリンは、肝臓でビタミンKと拮抗するため、ビタミンK依存性凝固因子の生成を阻害する。

3 正
ビタミンKは、タンパク質のグルタミン酸残基をγ−カルボキシグルタミン酸残基に変換する反応に関与する。

4 誤
ビタミン K は、ビタミンK依存性カルボキシラーゼの補酵素として働く。

5 誤
ビタミン K は、骨基質タンパク質オステオカルシンの生成を促進する。