第106回薬剤師国家試験

◆ 問159

心不全治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • メチルジゴキシンは、Na+, K+ -ATPase を阻害して、心筋細胞内Ca2+ 濃度を上昇させて陽性変力作用を示す。
  • リシノプリルは、アンジオテンシンⅡの分解を阻害して、心筋のリモデリングを抑制する。
  • コルホルシンダロパートは、サイクリック AMP(cAMP)誘導体で、細胞内でcAMPに変換されて心筋収縮力を増強する。
  • ピモベンダンは、トロポニンCのCa2+ 感受性を増大させるとともに、ホスホジエステラーゼⅢを阻害して、強心作用を示す。
  • カルペリチドは、グアニル酸シクラーゼ内蔵型受容体を遮断して、心臓の前負荷及び後負荷を軽減させる。

◆ 問159

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、4


1 正

メチルジゴキシンは、Na,K-ATPaseを阻害して、心筋細胞内のCa2の濃度を上昇させて心収縮力増大作用(陽性変力作用)を示す。

2 誤
リシノプリルは、アンギオテンシン変換酵素を阻害し、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡの生成を阻害することにより心筋のリモデリングを抑制する。

3 誤
コルホルシンダロパートは、心筋において、アデニル酸シクラーゼを直接活性化し、cAMP濃度を上昇させることにより心筋収縮力を増大させる。 なお、設問の記述はブクラデシンに関する記述である。

4 正

5 誤
カルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内のcGMPを増加させ、血管拡張作用、利尿作用を示す。 なお、本剤は、静脈拡張作用、利尿作用による前負荷軽減作用と動脈拡張作用による後負荷軽減作用を示す。