第106回薬剤師国家試験

◆ 問169

抗ウイルス薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • エムトリシタビンは、細胞内で三リン酸化体となり、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。
  • ラルテグラビルは、HIVプロテアーゼを阻害する。
  • リバビリンは、細胞内で三リン酸化体となり、RNA依存性DNAポリメラーゼを阻害する。
  • ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。
  • バロキサビルマルボキシルは、体内で活性体に変換されて、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害する。

◆ 問169

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


1 誤
エムトリシタビンはHIV感染細胞内で三リン酸化体となり、逆転写酵素を阻害し、RNAからDNAの合成を阻害する。

2 誤
ラルテグラビルは、HIVインテグラーゼ(ウイルスゲノム由来のDNAを宿主DNAに組み込む酵素)を阻害する。

3 誤
リバビリンは、細胞内でリン酸化されグアノシン三リン酸(GTP)と競合することでRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。

4 正
ファビピラビルは、細胞内でリボシル三リン酸体となり、RNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し、RNAの複製を抑制する。

5 正
バロキサビルマルボキシルは、体内で活性体に変換されて、インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害する。