第107回薬剤師国家試験
◆ 問163
2型糖尿病の治療に使用される薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
ミチグリニドは、スルホニル尿素受容体に結合してATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。
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ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化することで、脂肪細胞の分化を促進する。
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イプラグリフロジンは、ナトリウム-グルコース共輸送体2(SGLT2)を阻害することで、小腸でのグルコースの吸収を選択的に抑制する。
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リナグリプチンは、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進する。
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メトホルミンは、AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を阻害することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。
◆ 問163
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:1、2
1 正
ミチグリニドは、膵臓のβ細胞膜に存在するSU受容体に結合し、ATP感受性K+チャネルを遮断することで、膵β細胞の細胞膜を脱分極させる。
2 正
ピオグリタゾンは、主に脂肪細胞に分布するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR−γ)を刺激し、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化促進と大型(肥大化)脂肪細胞のアポトーシスを誘発する。
3 誤
イプラグリフロジンは、SGLT2(sodium dlucose co−transporter 2)阻害し、腎の近位尿細管でのグルコースの再吸収を抑制することにより血中の過剰なグルコースを体外への排泄を促進する。
4 誤
リナグリプチンは、・インクレチンの分解に関わるDPP−4(ジペプチジルペプチダーゼ4)を阻害し、インクレチンの濃度を上昇させることにより血糖依存的にインスリン分泌促進作用を示すとともにグルカゴン濃度低下作用を示す。
5 誤
メトホルミンは、AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することで、骨格筋でのグルコーストランスポーター4(GLUT4)の細胞膜への移行を促進する。