第108回薬剤師国家試験

◆ 問124

生活習慣病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。
  • 現在、我が国では、2型糖尿病患者より1型糖尿病患者が多い。
  • 糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。
  • 受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクファクターとはならない。
  • HDL-C(高密度リポタンパク質コレステロール)は、脂質異常症の診断基準項目に含まれない。

◆ 問124

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1、3


正:[腹囲が基準値以上であり、血圧、血糖、血清脂質の 3つの診断基準項目のうち、2項目以上が該当すると、メタボリックシンドロームと診断される。]
メタボリックシンドロームについての記述です。

誤:[現在、我が国では、2 型糖尿病患者より 1 型糖尿病患者が多い。]
糖尿病は、1 型糖尿病と 2 型糖尿病に分類されます。1 型糖尿病とは、インスリンが絶対的に欠乏している糖尿病です。自己免疫性であったり、特発性であったりといった原因により、インスリンを産生する膵臓 β 細胞が破壊されることが原因です。2 型糖尿病はインスリン分泌が低下したり、インスリンに対する標的臓器の感受性が低下(インスリン抵抗性)することによる糖尿病です。患者数は、2型糖尿病の方が糖尿病患者の 9 割以上を占めています。

正:[糖尿病は、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクファクターである。]
糖尿病についての記述です。

誤:[受動喫煙は、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) のリスクファクターとはならない。]
ならないわけではありません。

誤:[HDL-C (高密度リポタンパク質コレステロール) は、脂質異常症の診断基準項目に含まれない。]
高脂血症(脂質異常症)であるとは、以下の3つのどれかを満たす状態のことです。血中 LDL コレステロール値 ≧ 140mg/dL、血中 HDL コレステロール値 ≦ 40mg/dL、血中トリグリセリド(TG:中性脂肪)値 ≧ 150mg/dL。従って、HDL-C も、診断基準項目に含まれます。