第108回薬剤師国家試験

◆ 問156

抗リウマチ薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。
  • アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。
  • トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。
  • トシリズマブは、抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体で、IL-1βの作用を抑制する。
  • エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFc鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。

◆ 問156

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


誤:[インフリキシマブは、抗ヒトTNF-α受容体モノクローナル抗体で、TNF-αの作用を抑制する。]
 インフリキシマブは、キメラ型抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体で、TNF-αに結合し、TNF-αとTNFα受容体との結合を阻害することでTNF-αの作用を抑制する。

正:[アバタセプトは、抗原提示細胞表面のCD80/CD86に結合して、CD28を介した共刺激シグナルを抑制する。]
 アバタセプトは、CD 80/86に結合し、T細胞の共刺激シグナルを阻害することによりT細胞の活性化及びサイトカインの産生を抑制する。

正:[トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害して、IL-2受容体の活性化を介した作用を抑制する。]
 トファシチニブは、ヤヌスキナーゼ(YAK)1及び3を阻害し、インターロイキンやインターフェロンの働きを抑制することにより炎症サイトカインや免疫グロブリンの産生を抑制する。

誤:[トシリズマブは、抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体で、IL-1βの作用を抑制する。]
 トシリズマブは、抗ヒトIL−6モノクローナル抗体で、IL-6の作用を抑制する。

誤:[エタネルセプトは、IL-6受容体の細胞外ドメインとヒトIgGのFc鎖との融合タンパク質で、IL-6の作用を抑制する。]
 エタネルセプトは、完全ヒト型可溶性TNF−α/LT−α受容体であり、TNF-αの作用を抑制する。