第108回薬剤師国家試験

◆ 問165

内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。
  • テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。
  • プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。
  • ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。
  • メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。

◆ 問165

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


誤:[クロミフェンは、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)受容体を遮断して、排卵を誘発する。]
 クロミフェンクエン酸塩は、抗エストロゲン薬であり、視床下部及び下垂体前葉のエストロゲン受容体を遮断することで、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gn−RH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進することで排卵を誘発する。

誤:[テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。]
 テリパラチドは、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)のN末端から34個のアミノ酸を切り出したポリペプチドであり、副甲状腺ホルモン受容体を刺激する。本剤は、間欠投与により前駆細胞から骨芽細胞への分化促進、骨芽細胞のアポトーシスの抑制することで骨形成促進作用を示す。

正:[プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。]
 プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺機能抑制作用を示す。

誤:[ブロモクリプチンは、ドパミンD2受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。]
 ブロモクリプチンは、麦角系ドパミンD2受容体作動薬であり、ドパミンD2受容体を刺激して、プロラクチン分泌を抑制する。

正:[メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。]
 メテノロンは、タンパク同化ステロイドであり、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。