第108回薬剤師国家試験
◆ 問167
肺がん治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。-
イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。
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エトポシドは、トポイソメラーゼⅡを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。
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ゲフィチニブは、抗programmed cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。
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ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。
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ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。
◆ 問167
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解:2、5
誤:[イリノテカンは、フリーラジカルを発生して、DNA鎖を切断する。]
イリノテカンは、カルボキシルエステラーゼにより活性代謝物SN–38となり、トポイソメラーゼⅠを阻害し、DNA複製を停止することで抗腫瘍作用を示す。
正:[エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害して、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。]
エトポシドは、トポイソメラーゼIIを阻害し、切断されたDNA鎖の再結合を阻害する。
誤:[ゲフィチニブは、抗programmed cell death-1(PD-1)抗体で、T細胞による抗腫瘍作用を増強する。]
ゲフィチニブは、EGFRのATP結合部位に結合し、チロシンキナーゼの活性を阻害することで細胞増殖抑制、アポトーシスを誘導する。
誤:[ゲムシタビンは、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。]
ゲムシタビンは、腫瘍細胞内で代謝され、二リン酸化、三リン酸化され、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)と競合し、DNAに取り込まれDNA合成を阻害する。
正:[ドセタキセルは、微小管を安定化して、有糸分裂を阻害する。 ]
ドセタキセルは、チュブリンの脱重合を阻害(チュブリンの重合を促進)し、微小管を安定化させ、紡錘糸機能を障害することで細胞分裂を停止させアポトーシスを誘発する。