第108回薬剤師国家試験

◆問204-205

67歳男性。開心術後に低心拍状態となり心原性ショックと診断された。本疾患の治療に当たりアドレナリン注射液及び電解質輸液(開始液)が、中心静脈ダブルルーメンカテーテルから図のように投与されている。看護師は医師よりオメプラゾールナトリウム注射液を1時間かけて投与するよう指示を受けたため、薬剤師に投与経路について確認した。
108回問204-205画像1

◆ 問204

オメプラゾールナトリウム注射液の投与手順として適切なのはどれか。1つ選べ。
  • Aからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。
  • Aからのライン及びBからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。
  • Aからのライン及びBからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。
  • Bからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。
  • フラッシュなしで直接Dから投与する。

◆ 問205


◆ 問204

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


正:[Aからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。]
誤:[Aからのライン及びBからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。]
誤:[Aからのライン及びBからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。]
誤:[Bからのラインを止め、Dから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Dから投与する。]
誤:[フラッシュなしで直接Dから投与する。]

断面図が与えられていることに加え、アドレナリンが精密持続点滴とある点に注目します。

もし、Dからオメプラゾールを投与すると、断面積が小さい方から2剤を投与することになります。また、オメプラゾールと一緒に、ルート内のアドレナリンが押し出されることで、想定されていない速度で投与されてしまうと考えられます。これらをふまえると、オメプラゾールはCからの投与が妥当です。
よって正解は以下の選択肢に絞られます。
[Aからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。]
[Aからのライン及びBからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。]

さらに、心原性ショックの患者に、アドレナリンを精密持続点滴しているのだから、Bからのラインを止めずにオメプラゾールを投与すべきであると考えられます。
よって正解は
[Aからのラインを止め、Cから適量の生理食塩液でフラッシュした後、Cから投与する。]となります。

◆ 問205

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式より、pH = pKa+logイオン形/分子形(酸性化合物の場合)です。イオン形を以降、[X]、分子形を[HX]とします。pH=7.4、pKa=8.9を代入すれば、以下のように、分子形がイオン形の32倍の時に、等号成立します。
108回問204-205画像1
よって、正解は1です。