第108回薬剤師国家試験

◆問250-251

60歳女性。市町村が実施する検診で骨密度の低下が指摘され、近隣の整形外科を受診した。脆弱性骨折は見られなかったが、骨密度低下(腰椎骨密度測定値:若年成人平均値(YAM)の65%)のため骨粗しょう症と診断された。本日、以下の処方箋を持って初めて薬局を訪れた。
108回問250-251画像1

◆ 問250

処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
  • カルシトニン受容体を遮断することで、骨形成を促進する。
  • RANKL(NF-B活性化受容体リガンド)に結合することで、骨形成を促進する。
  • ビタミンD受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。
  • ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、骨吸収を抑制する。
  • エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。

◆ 問251


◆ 問250

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


◉バゼドキシフェン錠20mg
 選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であり、エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。

◉エルデカルシトールカプセル0.75μg
 活性型ビタミンD3誘導体であり、ビタミンD受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。

◆ 問251

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


内科で処方されているリバーロキサバンは、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に用いられる。また、整形外科で処方されているバゼドキシフェン錠は、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓塞栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓塞栓症等)のある患者に投与禁忌とされている。これらのことから、この患者は深部静脈血栓症の可能性があるため、バゼドキシフェンを投与することができない(投与禁忌)の可能性がある。