第108回薬剤師国家試験

◆問270-271

60歳女性。29歳より双極性障害と診断され精神科クリニックに定期的に通院し、49歳の時に2型糖尿病と高血圧症を指摘された。現在、以下の薬剤を服用中である。1週間前から吐き気とふらつきが出現し、今朝から言葉が出にくくなり、意識がはっきりしなくなったため大学病院に救急搬送され、入院措置がとられた。処方薬による副作用が疑われた。
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◆ 問270


◆ 問271

副作用発現の要因として考えられる薬物動態学的変動はどれか。1つ選べ。
  • 薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇
  • 薬物相互作用によるクリアランスの低下
  • 血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大
  • 肝機能低下による肝クリアランス低下
  • 腎機能低下による腎クリアランス低下

◆ 問270

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:1


正:[炭酸リチウムによるリチウム中毒]
誤:[カルバマゼピンによる再生不良性貧血]
誤:[アムロジピンによる横紋筋融解症]
誤:[シタグリプチンによる低血糖発作]
誤:[フルニトラゼパムによる乳酸アシドーシス]

加齢に伴い、腎機能悪化→ずっと飲んでいる薬の副作用が強くなったという流れと考えられます。
吐き気、ふらつき、意識障害といった点から、リチウム中毒、低血糖、乳酸アシドーシスなどが疑われます。そして、検査値から低血糖は見られず、血液pHからアシドーシスでもないため、リチウム中毒です。

◆ 問271

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:5


問270の解説参照