第108回薬剤師国家試験

◆問280-281

26歳女性。身長155cm、体重42kg。アレルギー性鼻炎に対して処方1の薬剤を服用している。今回、下血があり外来受診したところ、潰瘍性大腸炎(直腸炎型)の診断を受けた。なお、重症度分類では軽症であった。医師は、患者からこれまで薬を飲み忘れることが多かったとの訴えがあったため、メサラジンの処方にあたり、本患者に適切な製剤について、医薬品情報管理室に問い合わせた。薬剤師は、アドヒアランスを考慮して処方2を提案した。
108回問280-281画像1

◆ 問280


◆ 問281

処方2の製剤投与後の薬物動態を把握するため、添付文書を確認したところ、健康成人における空腹時経口単回投与時の24時間までの平均血漿中未変化体薬物濃度の時間推移は下図のようであった。
108回問280-281画像2
処方2の製剤の添加剤のうち、本剤投与後、図中Aに示された血漿中薬物濃度の推移が観察されることと最も関連の深いのはどれか。1つ選べ。
  • カルメロースナトリウム
  • カルナウバロウ
  • ステアリン酸マグネシウム
  • メタクリル酸コポリマー S
  • マクロゴール 6000

◆ 問280

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、5


メサラジンを有効成分とする製剤には、ペンタサ、アサコール、サラゾピリンなどがあるのですが、これらは1日2~3回服用です。リアルダは、1日1回服用でよいため、アドヒアランス向上が期待できます。

誤:[メサラジン注腸剤と併用しない。]
メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮する必要はありますが、併用しないわけではありません。

誤:[処方2の薬物のTDMを行う。]
特に TDM は必要ありません。

正:[再生不良性貧血を起こすことがある。]

誤:[粉砕して投与可能である。]
添加剤にメタクリル酸コポリマーがあり、腸溶錠であることが読み取れます。そのため、粉砕してはいけません。

正:[定期的に大腸がん検査を行う。]

◆ 問281

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


誤:[カルメロースナトリウム]
誤:[カルナウバロウ]
誤:[ステアリン酸マグネシウム]
正:[メタクリル酸コポリマー S]
誤:[マクロゴール 6000]

図中Aの血中濃度推移は、胃で溶けていないことを示しています。腸溶錠であることと関連深い添加剤は、メタクリル酸コポリマーです。