第109回薬剤師国家試験

◆問236-237

猛暑日が続き、連日にわたって熱中症警戒アラートが発表されているため、多くの人がドラッグストアに病者用食品の経口補水液を購入に来た。購入希望者から薬剤師に、脱水や熱中症への対策について相談が度々あった。

◆ 問236

薬剤師が、購入希望者に対して行う、脱水や熱中症に関する説明内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 室内で過ごしていれば、熱中症になることはありません。
  • 喉の渇きを感じるまで、水分補給は必要ありません。
  • 経口補水液を飲み過ぎると、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあります。
  • めまいや大量の発汗、筋肉のこむら返りなどの初期症状に注意してください。
  • この経口補水液は病者用の食品であるので、医師の診断を受けてから摂取してください。

◆ 問237


◆ 問236

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:3、4


正解の選択肢の解説は以下の通りです。
[経口補水液を飲み過ぎると、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあります。]
経口補水液は水分だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質も含んでいます。適切な量を飲むことは脱水状態の改善に役立ちますが、飲み過ぎるとナトリウムの過剰摂取につながり、体に不調をきたす可能性があります。

[めまいや大量の発汗、筋肉のこむら返りなどの初期症状に注意してください。]
熱中症の初期症状には、めまい、大量の発汗、筋肉のこむら返りなどがあります。これらの症状に気づいたら、すぐに涼しい場所で休息を取り、水分と電解質を補給することが重要です。



誤りの選択肢の解説は以下の通りです。
[室内で過ごしていれば、熱中症になることはありません。]
室内でも高温多湿の環境下では熱中症になる可能性があります。室内であっても適切な温度管理と換気が必要です。

[喉の渇きを感じるまで、水分補給は必要ありません。]
喉の渇きを感じる前に水分補給をすることが重要です。渇きを感じた時にはすでに脱水状態の始まりであることが多いため、定期的に水分を取ることが推奨されます。

[この経口補水液は病者用の食品であるので、医師の診断を受けてから摂取してください。]
経口補水液は一般的に病者用の食品としてではなく、脱水状態の改善を目的としたもので、医師の診断なしに一般の人も利用できます。

◆ 問237

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4


109回問236-237画像1
誤りです。
特定保健用食品のマークである。特定保健用食品とは、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品であり、消費者庁長官の許可を受けたものをいう。



109回問236-237画像2
誤りです。
条件付き特定保健用食品のマークである。条件付き特定保健用食品とは、特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として消費者庁長官の許可を受けたものをいう。



109回問236-237画像3
誤りです。
JASマークである。JASマークは、食品・農林水産分野において農林水産大臣が定める国家規格であり、日本農林規格(JAS規格)に合格した食品に表示される。なお、JAS規格とは、国内市場に出回る食品および農林水産品の品質や仕様を一定の範囲と水準に揃えるための基準、産品の生産やプロセスなどを制定したものである。



109回問236-237画像4
正しいです。
特別用途食品(特定保健用食品を除く)のマークである。特別用途食品(特定保健用食品を除く)は、乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行う食品であり、消費者庁長官の許可を受けたものをいう。



109回問236-237画像5
誤りです。
HACCP(hazard analysis and critical control point)承認マークである。HACCP承認マークは、営業者が HACCP の考え方に基づいて自ら設定した食品の製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法について、厚生労働大臣が承認基準に適合することを個別に確認するものである。なお、HACCPとは、営業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法である。