第109回薬剤師国家試験
◆問282-283
6歳女児。体重20kg。5日前より咳嗽の症状があり、夜間に37.5℃程度の微熱が続いていた。市販の解熱剤と咳止め用シロップ剤などを服用させて様子を見ていたが、3日前から夜になると咳が止まらなくなり、本日、38.0℃まで熱が上がったため、近医を受診した。診察及び検査の結果、以下の薬剤が処方され、患児の母親が処方箋を持って薬局を訪れた。
◆ 問282
◆ 問283
患児の母親への服薬指導にあたって、事前に処方3のツロブテロールテープ剤に関する医薬品情報を調べたところ、有効成分及び製剤に関して、以下の情報が得られた。
上記の情報に基づいて、本製剤を患児に単回貼付して24時間後に剥離した場合の血清中薬物濃度の時間推移のパターンを予測したグラフとして、最も適切なのはどれか。1つ選べ。なお、小児(喘息児5名)にロブテロールドライシロップ剤20mg/kg(ツロブテロール塩酸塩として0.02mg/kg)を経口投与した場合の体内半減期は、インタビューフォームから3.56時間であった。
◆ 問282
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：3、5
正解の選択肢の解説は以下の通りです。
[処方3の薬剤は、お子さんが剥がしてしまう場合、背中の手の届きにくい場所に貼付してください。]
正解です。シロブテロールテープは、就寝前に貼ることで夜間の咳を抑える効果があります。子供がテープを剥がしてしまう可能性があるため、手の届きにくい背中に貼ることが推奨されます。
[処方4の薬剤は、4～6時間以上の間隔をあけて服用してください。]
正解です。アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤で、過剰摂取を避けるために服用間隔を空ける必要があります。38.0℃以上の発熱時に限り、4～6時間以上の間隔をあけて服用するのが適切です。
誤りの選択肢の解説は以下の通りです。
[処方1の薬剤は、オレンジジュースに混ぜると服用しやすくなります。]
誤りです。アジスロマイシンは抗生物質で、特定の飲み物と混ぜることは推奨されていません。オレンジジュースに混ぜると、薬剤の効果が変わる可能性があります。
[処方1と2の薬剤は、混ぜると服用しやすくなります。]
誤りです。アジスロマイシンとカルボシステインを混ぜることは推奨されていません。薬剤の相互作用により、効果が変わるか、副作用が生じる可能性があります。
[処方3の薬剤は、起床時に咳が治まっていれば、剥がしてください。]
誤りです。シロブテロールテープは、就寝前に貼り、24時間そのままにしておくことが一般的です。起床時に咳が治まっていても、指示された期間は貼り続けるべきです。
◆ 問283
◆領域・タグ
◆正解・解説
正解：2
正解は以下の選択肢です。
ツロブテロールテープは、結晶レジボアシステムにより有効成分が少しずつ放出され、24時間ゆっくりと効果が持続するよう設計されており、貼付開始8〜12時間後に濃度が一番高くなります。
貼付開始8〜12時間後にピークとなり、その後濃度を一定に保っているグラフを絞り込みます。また、小児にツロブテロールを経口投与した場合の体内半減期は3.56時間であったことから、予測されるグラフは以下です。
