第109回薬剤師国家試験

◆問312-313

 80歳男性。脊柱管狭窄症があり、自宅療養中。骨粗しょう症があり、定期的にイバンドロン酸ナトリウム水和物の注射を受けていたが、腰痛がひどく、新たに処方1の薬剤が追加され使用している。この男性は、娘が介護を行うにあたり近々娘の家で同居することとなり、娘から近隣の薬局に処方1の薬剤の取扱いがあるか問合せがあった。
 現在、当該薬局では処方1の取扱いはなかったが、男性が引っ越してくるまでに時間があるため、処方1の製造販売業者が提供するシステムへの調剤施設の登録などの手続きを行い、調剤できる準備を整えることになった。
109回問312-313画像1

◆ 問312


◆ 問313

引越し後、処方1を当該薬局において調剤した際、患者の娘から使い方の説明を求められた。薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
  • 腰の痛い場所に貼ってください。
  • 皮膚に傷のあるところには貼付しないでください。
  • 半分に切って使用しないでください。
  • 使用済のお薬は、接着面を表にして処分してください。
  • このお薬がよく効くように、貼った部位を電気毛布等でよく温めてください。

◆ 問312

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:4、5


[調剤するには、薬局の許可のほかに麻薬小売業者の許可を要する。]
誤り:薬局が麻薬を調剤するためには、麻薬小売業者の許可は必要ありません。薬局は、薬剤師法に基づく許可を受けていれば、麻薬の調剤が可能です。

[処方箋に、麻薬施用者の免許証の番号が記載されているか確認しなければならない。]
誤り:処方箋に麻薬施用者の免許証番号の記載を確認する義務はありません。麻薬の処方箋には、施用者の氏名や住所、処方される麻薬の名称と量など、特定の情報が記載されている必要がありますが、免許証番号は含まれません。

[堅固な設備内に施錠して保管しなければならない。]
誤り:麻薬は確かに安全な場所に保管する必要がありますが、必ずしも「堅固な設備内に施錠して」保管しなければならないわけではありません。適切な保管方法は、麻薬の種類や量、保管場所の条件などによります。

[廃棄する際、法令に基づく許可や届出の必要はない。]
正解:麻薬の廃棄に際して、特別な法令に基づく許可や届出は必要ありません。しかし、廃棄する際には、環境への影響を考慮し、適切な方法で行う必要があります。

[規定の数量以上の紛失等の事故が発生した場合、「向精神薬事故届」を届け出なければならない。]
正解:規定の数量以上の麻薬の紛失や事故が発生した場合、関連する法令に従い、「向精神薬事故届」を提出する必要があります。これは、麻薬の管理に関する厳格な規制を反映しています。

◆ 問313

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2、3


正解の選択肢について解説します。
[皮膚に傷のあるところには貼付しないでください。]
正しいです。ブプレノルフィン経皮吸収型製剤は皮膚から吸収されるため、皮膚に傷があるところに貼ると薬剤の吸収が予想外に増える可能性があります。

[半分に切って使用しないでください。]
正しいです。ブプレノルフィン経皮吸収型製剤は一定の速度で皮膚から吸収されるように設計されています。製剤を切ると、その設計が崩れ、薬剤の吸収が予想外に増える可能性があります。

誤りの選択肢について解説します。
[腰の痛い場所に貼ってください。]
誤りです。ブプレノルフィン経皮吸収型製剤は、痛みを感じている部位に直接貼る必要はありません。薬剤は皮膚から全身に広がり、痛みを和らげます。

[使用済のお薬は、接着面を表にして処分してください。]
誤りです。使用済みのパッチは、子供やペットが触れないように、接着面を内側に折りたたんでから処分するべきです。

[このお薬がよく効くように、貼った部位を電気毛布等でよく温めてください。]
誤りです。ブプレノルフィン経皮吸収型製剤は、体温で一定の速度で皮膚から吸収されます。貼付部位を温めると、薬剤の吸収が予想外に増え、副作用のリスクが高まる可能性があります。