第110回薬剤師国家試験

◆ 問51

構造粘性を有する製剤でみられる、下図のレオグラムを示す現象はどれか。1つ選べ。
110回問51画像1
  • クリープ
  • チキソトロピー
  • 応力緩和
  • ダイラタンシー
  • コアセルベーション

◆ 問51

◆領域・タグ

◆正解・解説

正解:2


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◆ユーザー投稿の解説

笹かま さんが投稿
図に示されたレオグラムは、上昇曲線と下降曲線が一致せず、ループ(ヒステリシスループ)を形成している。この現象に関する国家試験対策上のポイントを以下にまとめる。
### 1. チキソトロピー(正解)
構造粘性を有する製剤において、せん断(かき混ぜるなどの力)を加えると構造が破壊されて粘度が低下し、静止させると徐々に元の構造に戻る現象である。
・レオグラムの特徴:上昇曲線よりも下降曲線が左側(せん断応力が小さい側)を通る。これは、一度力を加えた後の方が、同じせん断速度を得るのに必要な力が少なくて済む(=粘度が下がっている)ことを示している。
・代表例:ベントナイトゲル、含糖酸化鉄注射液など。
### 2. 他の選択肢の解説
・1. ダイラタンシー
せん断速度を高めると、粒子間の空隙が広がり抵抗が増すため、粘度が上昇する現象である。レオグラムは右下側に膨らむ曲線(上に行くほど傾きが緩やか)になり、ループは形成しない。
例:高濃度のデンプン懸濁液。
・2. 応力緩和
粘弾性体に対し、一定のひずみ(変形)を与え続けたとき、内部の応力が時間の経過とともに減少する現象である。
・4. クリープ
粘弾性体に対し、一定の荷重(応力)を加え続けたとき、時間の経過とともにひずみ(変形)が増大する現象である。
・5. コアセルベーション
高分子溶液において、溶媒の一部が分離して高分子濃度の高い相(コアセルベート)を形成する相分離現象である。流動特性(レオロジー)ではなく、製剤化の過程に関連する用語である。
### 💡 国試対策の整理:レオグラムの見分け方
| 現象 | レオグラムの形状 | 粘度の変化 |
|---|---|---|
| 塑性流動 | S軸に降伏値(原点を通らない) | 一定(傾きの逆数) |
| 擬塑性流動 | 原点を通る曲線(上に凸) | せん断で低下 |
| ダイラタンシー | 原点を通る曲線(下に凸) | せん断で上昇 |
| チキソトロピー | ヒステリシスループを形成 | せん断で低下(時間依存) |
### 効率的な定着法
チキソトロピーの「チ」は、時間が経つと「散(ち)っていた構造が元に戻る」とイメージすると、時間依存性の構造回復を忘れにくい。図の中に上昇と下降の矢印が別々に書かれていれば、まずチキソトロピーを疑うのが鉄則である。
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